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恩田陸「ライオンハート」のあらすじと感想。「時は内側にある」という謎

恩田陸著の歴史ミステリーラブロマンス「ライオンハート」。どのジャンルかわからない、かなり不思議な話です。

人間が持っている感覚を言語化してくれている小説で「なるほど」と思うことがとても多かったです。そして、鳥肌が立つほどゾクッとする場面もありました。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。年間100公演ほど舞台を観に行ったことのある劇場フリーク。社割で映画が1,000円で観られたときは毎週劇場へ行っていました。最近はネットで映画三昧。
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※3分ほどで読み終わる記事です。

この記事は恩田陸さんの「ライオンハート」の感想、批評サイトの評価を紹介します。

時は内側にある

小説のキーフレーズ

魂は全てを凌駕する
時は内側にある

これらのキーフレーズは夢に似ていると思います。起きた瞬間は夢を覚えていたはずなのに、ちょっと時間がたつと記憶からスッポリ抜けてしまう…。

「時は内側にある」という表現はたびたび小説に登場します。わかったような気になったと思ったら、次の瞬間わからなくなってしまう不思議な表現です。

わかったようなわからないような…。

「ライオンハート」の構成とあらすじ

「ライオンハート」は5本の短編とそれをつなぐひとつのストーリーで語られます。

老大学教授が忽然と姿を消してしまいます。この老教授の失踪事件が5つの短編をつなぎます。

5つの短編の表紙には、そのストーリーに関連する絵画が登場します。

先ほど紹介したキーフレーズ「魂は全てを凌駕する。時は内側にある」。そして、ユニコーンと、顔に布をかけた女性の胸に剣が突き刺さっている紋章がところどころで登場します。

この謎の文章と、紋章の意味が読み進めていくことで解明されていきます。

生まれ変わる2人

主人公のエドワードとエリザベスは生まれ変わりを繰り返しています。生まれ変わるたびにふたりは出会い、離れていきます。ふたりは同じ時間を進んでいないので、リチャードの方が年上の場合もあればエリザベスの方が年上のこともあります。そして同じ時代にいても、ふたりが出会わず終わることもあります。

混乱するのが、5本の短編の時系列がバラバラな点です。

この時系列の順序が読んでいて一番混乱する部分であり、この小説が特別な理由です。リチャードとエリザベスの生まれ変わりは1600年ごろから始まります。現代に近づいたからといって記憶が蓄積されているわけではありません。生まれ変わった後よりも、生まれ変わる前の方に重要な記憶が残っている場合もあります。

この小説を読んでいて「時間って4次元なんだ…」と不思議な感想を持ちました。恩田さんの時間の捉え方から「時間が数式で表現できる…」とふと思いました。

評価は高い?低い?

恩田陸「ライオンハート」評価

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評価はちょっと辛めな気がします。

「ライオンハート」は恩田陸さんにとって唯一のラブストーリーとも言われています。そして内容が少しわかりづらいこともあり、こういった評価なのかな、と思います。

ケイト・ブッシュのアルバムから着想

この「ライオンハート」は、イギリス出身のケイト・ブッシュが20歳のときに発表した「ライオンハート」というアルバムから着想を得ています。「ライオンハート」(原題:Oh England My Lionheart)の実際の曲はこちら。

この特徴的な声…。なんか聞いたことがある…。「あっ!!!!!」。バラエティ番組の「恋のから騒ぎ」でテーマソングを歌っていた人だ…。この特徴的な声。恩田さんの心に残る理由がわかります。

「ライオンハート」とは、イングランド王リチャード1世(1157年~1199年)のことで、勇猛さから獅子心王(Richard the Lionheart)と呼ばれていました。この歌は兵士たちを讃えるような内容といわれています。

最後に僕が一番好きだった章、「春」の紹介です。

章のはじめにはミレーの風景画「春」がのっています。

この作品を読んでいたとき不思議な感覚に陥りました。恩田さんの小説があとに書かれたはずなのに、この小説をもとにミレーの絵が書かれていたような感覚に…。

とっきどき作品を観ているとこういう感覚に陥るときがあります。僕が今までで一番感じたのがバレエ「椿姫」をみたときです。ショパンの曲が使われているのですが「このバレエのためにショパンが作曲したんじゃないか」という感覚になりました。

それくらいミレーの絵と小説がマッチしています。

そしてこの章の一番最後、鳥肌が立ちました。

今回は恩田陸著「ライオンハート」のご紹介でした。 ぜひぜひチェックしてみてください。
ありがとうございました。