30代ってもっと大人だと思ってた

英語、ダンス、脱毛、健康な身体づくりに関するブログです。

恩田陸著「ライオンハート」で覚えておきたいフレーズの備忘録

恩田陸著の歴史ミステリーラブロマンス「ライオンハート」をこちらで紹介しました。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。年間100公演ほど舞台を観に行ったことのある劇場フリーク。社割で映画が1,000円で観られたときは毎週劇場へ行っていました。最近はネットで映画三昧。
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※3分ほどで読み終わる記事です。

感覚の言語化3つのフレーズ

小説の中で記憶に残った部分があるので、紹介していきます。恩田陸さんの文章は、感覚をするどく言語化していて、なるほど、と思う部分がたくさんありました。その中から3つです。

「匂い」の表現:76ページ

「そして、匂いは記憶を刺激するのです」
青年はそこで小さく溜め息をついた。
「そう思ったことはありませんか? 何か懐かしい匂いを嗅いだ時に、過去の風景が目の前に広がったことは?」

僕自身、匂いについて同じように感じることは多く、丁寧な表現です。

「暑さ」の表現:129ページ

やれやれ、覚悟はしていたもののなんとう暑さか。身体は人一倍大丈夫だと思っていたが、この暑さでは想像以上に消耗が激しい。三日経つが、今ちょうど身体がここに慣れようと試行錯誤をしているところなのだろう。老いた身体が必死に働いて、この環境に合わせようと混乱しているのが分かる。こういう時は動き回らないに限る。じっと首を引っ込めて待つだけだ。今はひたすら、この猛々しい熱帯の気候に自分の身体を委ねよう。少なくともその間は何も考えずに済む。

暑い時期に読むとすごく共感します。そしてコロナウイルスで世界が閉ざされたことにも共通する感覚です。

「記憶」の表現:153ページ

「記憶というのは面白いものですよ。これだけは忘れちゃいけない、これだけはやらなくちゃいけないと思って何日もかけて準備していたことが、いざ当日になるとすこんと頭の中から抜けてしまっていることがある。いつもやっていることをいざ言葉にしようとしたり説明しようとしたりすると、ぎっしり詰まっていたはずの言葉がきれいさっぱり抜け落ちて真っ白になってしまったりする。ジェフリー、その日があなたにとってあまりにも重要な日だったからこそ、あなたは忘れてしまったんですよ」

この感覚ってすごく重要で、救いにもなる言葉だな、と感動してしまいました。書かないと忘れてしまうので記録しました。

手紙や郵便のありがたさにハッとする

最後にもうひとつだけ。郵便やメールに関するこの記述も僕は好きでした。

郵便配達人がやってくるのが楽しみだ。郵便制度ができたのは本当に有り難い。もう二度とあの場所に住む気はないけれど、ロンドンの友人たちと1ペニーで手紙をやりとりできるのは心強い。フランスにも同じように手軽に出せればよいのだが。制度ができて以来、すっかり名誉ある職業になった郵便配達人が、立派な髭をしごきながら丘を越えてやってくるのが見えると、エレンも飛び出していって子供たちからの手紙がないか確かめている。

便利な世の中になり、いろいろなありがたみが当たり前になっているな、と感じるのでした。

今回は恩田陸さん「ライオンハート」で覚えておきたいフレーズを備忘録てきに書き残しました。

どうもありがとうございました。