ジャズ男(ダン)ス

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ロイヤルバレエ団「ドン・キホーテ」ヤスミン・ナグディ、マルセリーノ・サンベ

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ロイヤルバレエ団の公演を観に行きました!! ものすごく良かったです!!

最近は映画でも、youtubeチャンネルでもよくロイヤルバレエを見ていたので、勝手に親近感を抱いていました。

主演は、最高位であるプリンシパルに上がったばかりの、ヤスミン・ナグディとマルセリーノ・サンベ。この二人はプリンシパルになる前から目立つダンサーだったのでとても期待していました。

二人ともラテンの香りがする容姿なので、バジルとキトリにぴったりなんじゃなかいと!!

とっても素晴らしい公演で観に行って本当に良かったです。

ちなみにこの記事なかなかの長さになってしまいました…。お付き合いお願いします。

 

 

キャスト変更がけっこうありました


実は、高田茜さんとスティーヴン・マックレー(キャッツの映画版に出演します)がこの日に踊る予定でしたが、ケガで出演できなくなりました…。スティーヴン・マックレーにいたってはケガから去年復帰したばかり…。下記の記事で取り上げています。

ということで、キャストがだいぶ入れ替わりました。単純な変更ではなく、パズルのように入れ替えがありました。こればかりはしょうがないですね。高田茜さんを観に行きたいと思っていたので残念です。

本来高田さんが主演ということもあり、火曜日の夜の回でも満員でした!! 2000席の会場を埋めることができる高田さんの人気、すごいです。

 

英国ロイヤル・バレエ団 「ドン・キホーテ」 6月25日(火)のキャスト


改訂振付:カルロス・アコスタ/マリウス・プティパの原版に基づく
音楽:ルトヴィク・ミンクス
編曲:マーティン・イエーツ
美術:ティム・ハットリー
照明デザイン:ヒュー・ヴァンストーン

 

◆主な配役◆

ドン・キホーテ:クリストファー・サンダース

サンチョ・パンサ(従者):フィリップ・モズリー

ロレンツォ(宿屋の主人):ギャリー・エイヴィス

キトリ(ロレンツォの娘)/ドゥルシネア姫:ヤスミン・ナグディ

バジル(床屋の青年):マルセリーノ・サンベ

ガマーシュ(裕福な貴族):トーマス・ホワイトヘッド

 

エスパーダ(闘牛士):平野亮一

メルセデス(街の踊り子):イツィアール・メンディザバル

キトリの友人たち:崔 由姫、ベアトリス・スティックス=ブルネル

ジプシー(ソリスト):ロマニー・パイダク、トーマス・モック

ドリアードの女王:金子扶生

 

アムール(キューピッド):アンナ・ローズ・オサリヴァン

ドゥルシネア姫(第1幕):ジーナ・ストーム=ジェンセン

ファンダンゴ(ソリスト): ロマニー・パイダク、ヴァレンティノ・ズッケッティ

街人たち、闘牛士たち、ジプシーたち、森の精たち:英国ロイヤル・バレエ団 ほか


指揮:マーティン・イエーツ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ギター演奏(舞台):デイヴィッド・バッキンガム、トーマス・エリス、フォーブス・ヘンダーソン、ナイジェル・ウッドハウス

 

既に発表しておりますとおり、高田茜とスティーヴン・マックレーが怪我のため、このたびの日本公演に参加できなくなりました。このため、両名に代わって、ヤスミン・ナグディがキトリ役、マルセリーノ・サンベがバジル役で出演いたします。また、メルセデス役で出演を予定しておりましたラウラ・モレーラは、ふくらはぎの怪我のために出演できなくなりました。代わりにイツィアール・メンディザバルが同役をつとめます。当初の配役での公演を楽しみにされていたお客様には誠に申し訳ございませんが、このたびの配役変更に関して、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。


◆上演時間◆

第1幕 18:30 - 19:20
休憩    25分
第2幕 19:45 - 20:15
休憩    25分
第3幕 20:40 - 21:25

 

バレエの「ドン・キホーテ」は話が違う?


原作はセルバンテスが書いた「ドン・キホーテ」です。バレエはこの物語をもとにしていますが完全にオリジナルストーリーです。

舞台はドン・キホーテとお供のサンチョ・パンサが立ち寄る街。宿屋の娘で玉の輿結婚をさせられそうになっているキトリと、その恋人で床屋のバジルが主人公。バレエでは、キトリとバジルが主役で、ふたりの恋模様にドン・キホーテが絡んできます。

「ドン・キホーテ」は、「白鳥の湖」と並ぶくらい人気のある作品です。なので、どのバレエ団でも「白鳥の湖」と「ドン・キホーテ」は上演していて、バレエ団のレベルがはっきりわかる作品です。


カルロス・アコスタによる演出


通常の「ドン・キホーテ」は、ドン・キホーテの存在感が薄いこともあります。

カルロス・アコスタ版の「ドン・キホーテ」は、しっかりとドン・キホーテが話に絡んできます。どのシーンにいてもドン・キホーテの存在感が強い!!

例えば第2幕のジプシーのシーン。踊りがとても魅力的で観ていたいんだけど、舞台の端で、キトリとドン・キホーテが「やんややんや」やってて気になって気になって...。ついつい目がいってしまいます。このようにドン・キホーテがストーリーにもがんがん絡んでくるので、僕はとても好きな演出でした。

僕はロイヤルバレエのyoutube動画観るのが好きなんですが、今回ドン・キホーテを演じているクリストファー・サンダースは普段バレエマスターといって指導をしています。話もうまいし、華があり、よく映像に登場します。
とても論理的な指導をしている印象です。クリストファー・サンダースのドン・キホーテ、素晴らしかったです。

 



この映像にも登場しています。キトリは高田さん。

 

ヤスミン・ナグディとマルセリーノ・サンベ

 

素晴らしい主演でした!!!
若手二人でこれだけの公演ができるロイヤルはスゴイ!! ふたりはとても華があって、観ていてついつい顔がほころんでしまう「ドン・キホーテ」でした。

 

ヤスミン・ナグディはしっとりしたイメージが強いですが、外見がおきゃんなキトリにぴったりでした。イギリス人ですが、メイクによってエキゾチックな雰囲気にもなるのですごく合っていると思います。身体がとっても柔らかく、甲が柔らかく足先がとてもキレイ。「スパン!!!」と足が上がるので観ていてとっても気持ちいいです。

ヤスミン・ナグディはとても控えめそうだけどすごく芯が強いんだろうな、という印象。特に最後のクライマックスのグラン・パ・ド・ドゥでは、バランスをとってやろうという気迫。実際すごいキープしていました。そしてそんな時でももちゃんと品がある。気品をもとから持っているように思いました。

やっぱりドルシネア姫が似合ってました。主演のダンサーは、キトリとドルシネア姫の2役を踊ります。キトリは、ちゃきちゃきで明るく快活。ドルシネア姫はドン・キホーテが夢の中で出会う理想の女性。品があり優雅。

ヤスミン・ナグディはとにかく優雅でエレガント。踊りにとても品があって、そこに音をたっぷり使うキープ力が加わり、流れるようなしなやかな踊りでした。

 

マルセリーノ・サンベはついこの間(6月7日)プリンシパルに昇進したばかり。とっても若々しくて、かつラテン系の色気もあってとても良かったです。テクニックもジャンプ力もスゴイ。

アメリカン・バレエ・シアターの元プリンシパルでキューバ出身のホセ・カレーニョを思い出しました。イギリスでは、演出をしたカルロス・アコスタに比べられることが多いようです。

髪の毛がくりくりしていて、笑うと歯が真っ白で、個性にピッタリはまっているバジルでした。


最後で最大の見せ場のグラン・パ・ド・ドゥは華やかで、不安定な部分もなく、すごいワクワクしました。ずーっと踊りっぱなしでも体力の衰えもなく若さパワーたっぷりでした。

グラン・パ・ド・ドゥを踊り終えたときに、さりげなく二人で手をぎゅっと握っていました。このさりげない動作でふたりのこの舞台にかける想いや、ふたりで思いやっているのが伝わってきて、すごく感動しました。

グラン・パ・ド・ドゥのクライマックスのコーダのリハーサル映像がアップされていたのでぜひどうぞ!! 


The Royal Ballet rehearse the Act III Pas de deux Variations and Coda from Don Quixote


ヤスミン・ナグディのフェッテはこの映像よりもパワーアップ。シングルを2回したあとに、片手を上にアンオーしながら2回転、両手を腰に当てて2回転、通常のポジションのアンナバンで2回転という流れで4ルーティーンくらいやってました。

サンベ君はこの映像と同じ感じで余裕で何回転もしてました。

 

全員参加型バレエ


主演のおふたりももちろん良かったんですが、僕が一番感動したのはこの部分です。舞台に出演しているダンサーがみんな参加してる感じがとっても良かったです。バレエは踊らない人も舞台に残ります。

プロであっても、ただぼーっとしてしまうダンサーがいることが多々あります。

ロイヤルバレエは、演劇的なバレエ団といわれています。カルロス・アコスタの演出は、演技に命をかけるロイヤルバレエ団にしかできない作品だと思いました。

例えば、闘牛士たちの踊り。周りが基本踊りに参加せずとも演技で参加しています。このシーンはエスパーダとメルセデス、そして6人の男性ダンサーの見せ場です。周りのダンサーが参加することですごく活気にあふれていました。なんかすごくいい演出だな~、と思いました。

特に闘牛士たちが1列で前に行って、後ろに行ってと繰り返す踊りがあるんですが、その時、街の人たちも前に行ったり後ろに行ったり。すごい印象に残っています。

ところどころ声を出す演出もありましたが、僕はとても好きな演出でした。

 

今回主演のふたりが引っ張っていく、というよりは周りにいるダンサー全員で作り上げるという空気感がありました。

バレエ団はとても矛盾していると思います。階級がしっかり分かれていて、若手が1番最高位に昇格することもあります。年下に追い越されることもあるので、そこにはジェラシーのような感情も少なからずあると思います。そんな競争の中でも舞台上では、みんなが協力しなければ良い舞台にはならない。若手のプリンシパルを支えるバレエ団のプロフェッショナルな部分をひしひしと感じました。

 

日本人が大活躍!!

 

ロイヤルバレエは日本人がたくさんいるので、日本人として嬉しくなっちゃいますね。

プロローグの後、第1幕では、日本人の桂千里さんと佐々木万璃子さんが一番最初に登場。桂千里さんは背中がとてもしなやか。全体を通して出演していたので踊りをたっぷり見れました。これからの活躍が期待されるダンサーです。

 

金子扶生(ふみ)さん


夢の場面では、金子扶生(ふみ)さんがドリアードの女王を踊っていました。めちゃめちゃ素敵でした。つま先はきれいだし、最後のピルエットからのルルベしたままロンデのバランスが「ブラボー」!!(下の映像です)
後日公演がある「シンフォニー・イン・C」でも同じような振付があって、とても難しいの振付です。難しい振付を軽々とこなすテクニックの持ち主です。


5:30~金子さんの踊りです。


特に最後が本当にきれい!!


同じシーンで前田紗江さんが妖精で出演。表情が華やかで、いい位置で踊っていたので、よく見えました。音の使い方がとても素敵だな、と思いました。そして存在が華やか。

4人のごろつき役でたぶんルカ・アクリさんと中尾太亮さんがいたと思います。(キャスト表に載っていないので定かではないです。キャスト表にもっと名前を載せてほしいです。)このごろつき4人が舞台に躍動感を与えていて、こういう役を全力で演じる人材がそろっているロイヤルバレエはスゴイと思います。

たぶん最後の方で、キトリの友人を演じるチェ・ユフィさんもとベアトリス・スティックスー=ブルネルを2人ずつで持ち上げるシーンがあったのですが、ひとり他の場所で演技に夢中になっていて、超ギリギリに持ち上げていました。笑
この4人がすごくイキイキしていて舞台に奥行きを与えていたと思います。

チェ・ユフィさん


そしてキトリの友人のチェ・ユフィさんも日本出身。キトリの友人として、ベアトリス・スティックスー=ブルネルとペアで踊っていました。ふたりの組み合わせはいいです!

この二人は他の作品でも重要な脇役で一緒に踊ることが多く、息がとてもあっています。ユフィさんは色気があるし、演技も達者。踊っていなくてもついつい目で追ってしまいます。キトリを狙う金持ちのガマーシュと一緒に踊るときも、ちゃっかり自分から誘っていたり。演技にぬかりなし!! 踊りに妖艶な部分があってロイヤルに絶対欠かせないダンサーです。

ちなみにもう一人のキトリの友人のベアトリス・スティックスー=ブルネル。あるシーンでキトリにヤキモチを焼かれます。そんな時バジルが「こんな女どうでもいい!」というジェスチャー。勝手にヤキモチやかれて、勝手にけなされるわけですが、その反応が可愛かったです。

 

平野亮一さん

 

プリンシパルである平野さんは、今日1番の存在感!! 拍手としては主役のお二人よりも大きかったです。「どやー!」と踊り、観客の割れんばかりの拍手。

平野さんは魅せ方が非常にうまい!! どんどん自分を前に出していきます。少し退屈になりがちな闘牛士のシーンがとてもピリってしていて、紳士過ぎないエスパーダ。ワイルド系で、すごく魅力的でした。椅子に座ってるときもデデーン!!って感じ。笑

3幕では、毒々しい緑の衣装ですが、それをも着こなしていました。笑

 

セットと衣装 

 

映像で見た時は、舞台が狭く見えましたが、東京文化会館だとちょうど良い大きさでした。

夢の場面のセットと衣装がとても立体的で好きでした。装飾が施してあるチュチュは遠くから見てもゴージャスな感じ。セットの花も3D感にあふれていました。

アムールのアンナ・ローズ・オサリヴァンの音のとり方が好きでした。普通だと金髪にギリシャっぽい衣装に羽根をつけていることが多いキューピッド。振り付けはまったく同じですが、衣装が違うだけでここまで雰囲気が変わるのか、と。僕はこっちの方が断然好きです。 


( ↓ ドリアードの女王です。この役を金子扶生さんが踊っていました。)


Don Quixote – The Queen of the Dryads, Act II (The Royal Ballet)

 

サンチョ・パンサをいじめないで!!


お調子者のサンチョ・パンサくん。見せ場の踊りがあります。

普通のバージョンだと調子に乗り過ぎて街の人たち全員からやっつけられてしまいます。ですが、カルロス・アコスタ版は解釈がまったく異なります。サンチョ・パンサの見せ場になっているだけでなく、スペインの人たちの陽気な部分が見えました。

普通だと、街の人たちがサンチョ・パンサをいじめているみたいであんまり好きじゃなかったので、なんか嬉しかったです。

サンチョ・パンサを胴上げする部分があるのですが、みんなでワイワイしていて好感度高いです。

 

生ギターのジプシーの踊り


ジプシーの踊りはコンテンポラリーの要素もあって、カルロス・アコスタの振付の幅広さを感じました。

特にセンターを踊る女性ソリストのロマニー・パイタグの「センターで踊るのはこういうことよ!!」という感じに見入ってしまいました。皆と同じ振り付けなのですが、音のとり方が全然違う!! 音にギリギリ遅れることなく自分流にアレンジ。

コンテンポラリーの要素も入っているので、自分の色を十分に出すことが許されているのかな、と思いました。

また、全員でのカノンが印象的。「カノン」とはカエルの歌の輪唱みたいなことです。同じ振りをちょっとした時間差で何人も踊る、というもの。すごくよく考えてある振付だと思いました。

そして、途中からギタリストが3人登場します。最初はダンサーが弾いているふりをしているのかと思い、オーケストラピットにギターがいるのか探してしまいました。キャスト表をみると、しっかりギターの3名の名前が載っていて、本当に弾いていたことが発覚!!
とても特徴的です!!

つなぎが少しだらーっとしていたかも


カルロス・アコスタ版は、場面と場面の進行がぐっと遅くなります。音楽も小さくなるので、少しだらーっとしていました。

昔ボリショイバレエ団の「ドン・キホーテ」を観たとき、通常の1.3倍の音楽のスピードなんじゃないか、と思うくらいテンポが速い舞台がありました。

特に場面転換で変な間があったので、スパーっと次に進んでほしいな、と思いました。

あとは狂言自殺のシーン。ここは笑いどころなので、どれだけ面白く演じてくれるか期待してしまいます。特に何回もみたことがある観客にとっては、「待ってました~」というシーン。

アメリカン・バレエ・シアターが芸達者なイメージで、マルセロ・ゴメス、アンヘル・コレーラを超えるダンサー見たことがないですね。このシーンはけっこうゲラゲラ笑いたかったりします。

このシーン、ガマーシュや周りのダンサーの協力が必須です!!

 

けっこうウルウルきました

 


「ドン・キホーテ」は基本的にハッピーな物語なのでウルウルくるような要素はそんなにないはずなのに今回、久々に生のバレエを見たことに感動していろんな場面でウルウルしてました笑。

特にヤスミン・ナグディとマルセリーノ・サンベのやり切った感じのカーテンコール・・・。泣けました!!


観客席には芸術監督のケヴィン・オヘア、新国立劇場の芸術監督の大原永子さんも見に来ていました。僕はというと、17時15分までバレエのレッスンに行って、その後観に行ったので、座ってる間時々お尻が痙攣してました。笑

僕は3階L側1列目の10番台後半だったので、とても観やすかったです。隣の方は音楽に乗って身体が動いていてノリノリでした笑 


人材の豊富さを感じた公演でした。プリンシパルが何人か抜けるので、きっと若手からまたプリンシパルが登場するんじゃないかと思います。

ということで、すんごく長くなりましたが、感想でした!!

7500文字!!

 


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どうもありがとうございました!!

たけだ