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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン スカーレット版「白鳥の湖」バレエ 8.30

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 TOHOシネマズ日本橋での上映です。バレエのライブストリーミング中継を映画館で行います。感想だいぶ長いです。僕のブログの中でも1番長いです。

映画でバレエ!

 日本は時差があるため、同時配信ではないですが、同時配信の映像を使って、日本用に作られています。同時中継の場合は休憩時間に解説やインタビューを行います。ナビゲーターはかつての名プリンシパル「ダーシー・バッセル」。饒舌でとても面白いです。日本は同時中継ではないので、解説やインタビューもしっかり見れて、かつ、休憩時間がしっかりあるのでおススメです。

・タイムテーブル
(メタメタですいません)

今回は13:30~17:00という長丁場でした。

【キャスト】

 まずプリンシパルの多さで大満足です!

主演の
マリアネラ・ヌニェスと
ワディム・ムンダギロフはもちろん
ロットバルトのベネット・ガートサイド(プリンシパル・キャラクター)

第1幕、パ・ド・トロワは基本的に次期スター候補たちが踊るのが定石ですが、
今回は
・アレクサンダー・キャンベル
・高田茜さん
・フランチェスカ・ヘイワード
とプリンシパル3人衆。これだけで豪華です。

3幕の王子の花嫁候補も
プリンシパルのヤスミン・ナグディが踊っていました。

 インタビューの中で今回は7人ずつ、オデット/オディールとジークフリート王子がいるとのこと。高田さんも別の日にオデット/オディールを踊っているので大変です。しかも違う作品のリハーサルもあって…。バレエダンサー凄すぎ!!
 そして今回は日を追うごとに振付の変更があったようです。イイものをつくる執念・・・。大事です。

【内容解説】

 今回は新バージョンということで、ストーリーや登場人物、使用曲に工夫がたくさんありました。3年がかりで作った超大作。以前のバージョンは30年続いた作品なので、プレッシャーは相当なんじゃないかと。
 まず、手始めに「白鳥の湖」の嫌な部分をリストアップしたと言っていました。なんとなくわかる気がします。「白鳥の湖」はどのバージョンもツッコミどこがあるんですよね。僕が一番苦手なのは、4幕で王子とロットバルトが対決するバージョン。踊りで戦いを表現するのは「白鳥の湖」には合ってないと思います。どんなにうまい人が踊っていても迫力がないんですよね。
 「本気で戦え!!!!」
と現実に引き戻されてしまいます。

【ストーリー】

プロローグ

 オデットはロットバルトにより白鳥に変えられてしまう。(たぶんロットバルトが一目惚れ)

【ポイント】
 通常は、人間の姿(オデット)を本役が演じ、変身後の白鳥を替え玉が演じることが多いですが、今回は逆。呪い後の白鳥をマリアネラ・ヌニェスが演じていました。

第一幕

 人間に化け女王の側近として仕えるロットバルト。宮廷でジークフリート王子は自分の誕生祝いに参加している。女王は王子に亡き父の弓矢を贈り物として授ける(成人した象徴みたいなものです)。女王は次の日の夜に開催される宮廷の舞踏会で4人の花嫁候補から花嫁を選ぶように、と強く言い放つ。

【ポイント】
 王子の友人べノンが活躍します。他のバージョンで道化が踊る部分などを担当。また、パ・ド・トロワをべノンと王子の妹2人が踊ります。パ・ド・トロワの女性が、王子の妹という役割が与えられているのは Good Idea だと思います。

第二幕

 王子を心配したベンノは彼を追って湖のほとりへ。ベンノは王子に宮廷に戻るよう語りかける。だが王子はベンノに帰るよう指示する。再び一人になった王子は白鳥の群れを見つける。驚くことに、一羽の白鳥が美しい乙女、オデット姫に変身する。オデットは「昼間は白鳥、夜は本来の姿に戻る」呪いのことを王子に伝える。呪いを破る方法はただひとつ。「まだ愛したことがない人」がオデットに不滅の愛を誓うこと。
 王子は本来の姿に戻っているロットバルトを弓で狙うが、ロットバルトが殺されると呪いが解けないとオデットから聞かされる。オデットと王子はお互いへの愛を表現する。夜が明けると、呪いの通りオデットは白鳥の姿に戻ってしまう。

【ポイント】
 以前のアンソニー・ダウエル版ではオデット以外の白鳥はチュチュを着ていませんでした。今回は全員がチュチュを着ていて、こちらの方が好きです。また小さな4羽の白鳥と2羽の大きな白鳥という構成でした。

第三幕

 王子は舞踏会に遅れて到着する。女王から花嫁を選ぶよう命令される。嫌々、王子は四人の花嫁候補の姫たちと踊るが、花嫁を選ぶことを拒否。突然、オディールが舞踏会に現れる。オディールはロットバルトの魔法によりオデットと瓜二つの姿をしている。王子はまったく気づかず、ただただ喜びに溢れている。
 王子はオディールの美しさに魅了される。信じて疑わない王子ははオディールに、永遠の愛を誓ってしまう。ロットバルトは正体を明かし、女王から王冠を奪い取る。悲嘆にくれた王子は湖へと急ぐ。

【ポイント】
 王子が舞踏会に遅れているため、友人べノンが気を利かせて時間稼ぎをします(たぶん)。その際、普段「白鳥の湖」で使われない曲で再度、べノンと王子の妹たちのパ・ド・トロワが踊られます。また花嫁候補たちはロングドレスではなくチュチュ。インパクトがあって僕は好きでした。デザインも個性的です。

第四幕

 湖のほとり傷心のオデットが現れ、白鳥たちに王子の裏切りを伝える。呪いから逃れる唯一の方法は死のみ…。王子は嵐の中、必死のオデットを探し、湖のほとりまでやってくる。王子はオデットに許しを乞う。ロットバルトが現れ、王子に誓いを思い出させる。オデットは呪いが破られないことを悟り、湖へと身を投げる。彼女が犠牲になることでロットバルトの呪い破られる。
 残された王子は、人間に戻ったオデットの亡骸をただ抱くことしかできない。

【ポイント】
 オディールはさーっと身を投げてしまいます。そして、王子とロットバルトは戦うことなく、ロットバルトが自滅していきます。最後、オデットが人間に戻りそれを抱える王子の姿はとてもいい演出だと思いました。

感想

ストーリー

 ストーリーとして、悲劇を選択したのは大賛成です。「白鳥の湖」はおとぎ話要素が強く、ハッピーエンドで終わることが多いですが、僕は嫌いです。これは王子の成長物語だと思うので、悲劇を経験して、いかに偉大な王になっていくか、がポイントだと思っています。ハッピーエンドで終わってしまったら、甘えた坊ちゃんのまま・・・。
 ただ、流れが中途半端だな、と思うところは多々ありました。女王と王子の関係が険悪すぎる・・・。特にこの時代、政略結婚はしょうがないと思うのですが、あまりに嫌がり過ぎてて「わがまま坊や」感がスゴイ。

 また、ロットバルトに関しても悪者オーラ全開過ぎて、「企み」感がスゴイ。もうちょっと狡猾に振る舞う感じの方がいいのでは。王子の友人としてベンノをキャラクターに追加しているバージョンは好きです。王子の人間性が見えていいですね。ただ、ベンノの立ち位置がイマイチわからない。従者なのか、友人なのか。友人っぽい時もあれば、従者っぽい時もあってわかりづらかったです。1幕、王子が湖のほとりに来た時、ベンノが追ってきます。その後、あまりやり取りなく、スーッと帰っていくのも、よくわからなかったです。
 そして妹たち。これはキャスト表をみないとわからないですね。「パ・ド・トロワ」のダンサーに意味を持たせたのはとてもいいと思います。ただ、踊り終わると、乾杯の踊りには参加せず、サラーっと帰ってしまう。あれ?、となりました。3幕でも再登場しますが、最初踊ったらあとは出演無し。カーテンコールで出てきていたので、さすがに3幕のオディールに愛を誓うシーンは出て!他の国の踊りを見てないのも不自然。舞台がぎゅーぎゅーだったので、そのせいかな・・・。

衣装・セット・背景

 衣装がとても素敵でした。豪華で250着ほどあるそうで、恐ろしいです。そしてロイヤルの資金力もスゴイ。ライブ・ビューイングも財源になってるんじゃないかと思います。僕が見た映画館は、7割くらい席は埋まっていたので、ロイヤルの戦略もスゴイです。
 衣装もセットも背景も、重厚感があります。華やかでありながら、不気味な雰囲気があり、悲劇を象徴しているようなセットや背景。ただ、舞台が狭く見えました。なので、踊っているダンサーたちも少し窮屈そうにみえる部分もありました。あとは映像で見るとかなり暗かったです。これは絶対、生で観た方がいいと思いました!

キャスト

マリアネラ・ヌニェス

 素晴らしかったです。特にオデットの踊りが本当に丁寧で、ソロに関しては足の指に神経が行き届いているのがわかりました。そして、相変わらずの軸の強さです。オデットの時、アティチュードターンでのキープ力がとにかく強い!これに柔軟かつ伸びやかな踊りが加わり、音の切れ目が全くなかったです。
 そして表情が人生を達観しているようで、かつ優しさに溢れていました。ほかの白鳥たちに比べ柔らかい表情をしていたのが印象的です。
 オディールではやはり、フェッテで3回転を入れられるので盛り上がります!3回、3回転入れていたと思います。

ワディム・ムンダギロフ

 ワディム・ムンダギロフは踊りがとにかくキレイでテクニックも抜群。足の甲がキレイすぎます。ワディムは世界中、引っ張りだこで日本でも新国立劇場で客演をしています。やっぱり、ワディムのパートナーはお姉さまがいいんじゃないかと思います。ずーっとペアを組んでいたダリア・クリメントヴァもしかり、今回のマリアネラ・ヌニェスしかり。頼りない感じがいい。
 そして、ロットバルトに全然ビビっていない・・・。笑

 ふたりの安定感が半端なかったです。一度、2幕のパ・ド・ドゥでワディムが頭上にマリアネラ・ヌニェスを持ち上げるパートで、たぶん衣装が引っかかってあげられていませんでしたが、とてつもなく自然にリカバリーしていました。たぶん言葉も発してないんじゃないかな、と。お互いにわかりあってて素晴らしかったです。

アレクサンダー・キャンベル

 王子の友人のアレクサンダー・キャンベルは演技も丁寧なので好きなダンサーです。舞台に一人いると安定感がすごく増すタイプのダンサーです。今回は王子も踊っているということなので、両方の気持ちもわかり、表情で何を言いたいかすごく伝わります。
 ベンノの振付はアレクサンダー・キャンベルが踊るには物足りない感じでした。もっと踊れるのにもったいない!

王子の妹たち(高田茜さん、フランチェスカ・ヘイワード)

 高田さんはとても好きなダンサーです。今回はバランス重視という感じ。表情も少し硬い感じでした。とはいえ、音楽が速くて、音に乗りながらの回転はブラボーです。そして優雅!!

 フランチェスカ・ヘイワードは音に乗っていて美しかったです。決めるところでよろけていましたが、全然気になりませんでした。

 高田さん・フランチェスカ・ヘイワードは二人でのダンスも多かったのですが、息はそんなに合ってないかな、と。3幕になると息が合っていて、僕はこっちの方が好きでした。とはいえ、アレクサンダー・キャンベルを加えた、この3人の存在感は素晴らしいし、贅沢で豪華でした。ちょうどこの3人は同じタイミングでプリンシパルに昇進したので、そういうストーリーも含めて好きです!

群舞さん

1幕

 群舞の踊りは、男性・女性の踊りが複雑に絡み合い、観ていてとても楽しかったです。群舞の中では金子扶生さんが美しかったです。日本人なので目がいってしまう、というのもありますが、手がとても長くて、踊り方すごく好きです。金子さんはその後、白鳥も踊っていたので大忙しですね。

2幕

白鳥の群舞では、移動のタイミングが原振付と少し違ったり、現代的なニュアンスが入っていて好きでした。

3幕

 スペインの衣装がダサかったです。踊りも微妙。チャルダッシュも退屈でした。ナポリ・マズルカは華やかで見ていてとても楽しかったです。
 王子の花嫁たちは個性ぞろいでいちいち演技をしていてとても楽しい。イタリアの王女のチェ・ユフィさんの衣装と色気、踊りが目立っていました。チェ・ユフィさんはいるだけで舞台に安定感があります。プリンシパルに昇進しないかな~、と応援しているダンサーです。
 ナポリの踊りでメーガン・グレース・ヒンキスの衣装の装飾が、ちょうど王女役のメリッサ・ハミルトンの前に落ちました。メーガンは自分で拾っていましたが、メリッサ・ハミルトンが拾おうと席を立ったんですよね。王女様は立ったらあかん!とつっこんでしまいました。

まとめ

 以上長々となりましたが、感想でした。「白鳥の湖」は女性ダンサーにとって負担が大きい作品です。特に、白鳥たちはほかの役と兼任しているので、でずっぱりなんじゃないかと思います。

 そういえば解説の中でダーシー・バッセルが群舞に関して語るシーンがあります。


Darcey Bussell the challenges of dancing as a Swan (The Royal Ballet)

 とても面白い動画です。ダンサーが舞台袖の段差でアキレス腱を伸ばしているのが印象的。立ってるだけが実は一番キツイ。足の感覚がなくなってくる、って言ってますね。

 これだけの規模の作品があり、いい振付師がいる。リアム・スカーレットは確か31歳。ダンサーの層も厚く、ロイヤルは人材に溢れていて、とても未来のあるカンパニーです。

これからも注目していきます!!

たけだ