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オッドタクシー第4話「田中革命」の感想。自尊心が満たされず落ちるところまで堕ちていく

擬人化された動物たちが登場し、ブラックユーモアあふれる「オッドタクシー」。こちらで作品の紹介しています。

見ていて度肝を抜かれてしまったのが、第4話。「田中革命」です。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。アメリカの大学に留学経験あり。
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※3分ほどで読み終わる記事です。ネタバレしています。

第4話「田中革命」

第3話までまったく登場していなかったピューマの田中がいきなり登場します。しかもほぼ全編、田中の独白(モノローグ)の回です。

人と競うことを避けていたはずなのに、いつの間にかそのど真ん中に飛び込んでしまい自分を壊してしまう…。

あらすじ

小学校3年生のころ。人生は平等ではないな、と感じ始める田中。クラスの人気者は、力が強かったり、イケメンだったり、絵がうまかったり、勉強ができたりする。そんなクラスメイトと比べ、自分は持たざるものだ、と感じてしまう田中。

担任の先生はクラスで劣等感を持つ者がいないよう、できるだけ平等にしようと、過度に目立つようなものを禁止していた。

そんなとき田中のクラスで消しゴム集めが流行る。消しゴムまでは先生の目が届かない。田中はたまたま珍しい消しゴムを持っていた。そして、田中が話題になる。承認欲求を満たしたことで、田中が変わっていく…。

消しゴム集めで名を上げた田中。しかし田中にはライバルがいて、田中よりもレアな消しゴムをたくさん持っている。この勝負に勝てると踏んだ田中は、夢中になっていく。しかし、差をどんどんつけられてしまう。

そんなとき、ネットオークションで超レアな消しゴムを見つけてしまう。この時点でタガが外れてしまった田中。お兄ちゃんのパソコンを勝手に使い、お父さんのクレジットカードの情報を盗んでしまう。

はじめてのネットオークション。はじめての入札。レアな消しゴムさえ手に入れれば勝負に勝てる。うまくやることができた自分に酔い、最高の気分になっていた。

担任の先生が禁止していた目立つものを手に入れられる。本来なら禁止されるべきもので人気者になれる、と思った田中はこの状況をこう名付ける。「田中革命」と。

しかし、そんなにうまくいく訳もなく…。最初3,000円の入札だった消しゴムが、田中の判断ミスにより10万円で入札し、落札。もちろん両親にバレ、父親にボコボコにされる。しかも肝心の消しゴムは届くことがなかった…。

この経験から誰とも競わない、というのが田中のモットーになる。

大人にった田中はスマホゲームが苦手になっていた。というのもトップランクになるには、仲間が必要だったり、課金が必要だったりするからだ。

しかし、楽しいスマホゲームに出会い状況が変わる…。ゲームを有利に進めるために課金をしてみる…。ほんの500円の課金から、田中は狂気の世界へ転がり堕ちていく。

小学校時代と同じようにタガが外れ、人生を狂わせていく。寝るのも、食べるのも、仕事さえも後回し。楽しい、という当初の目的とかけ離れた場所に来てしまう。

田中は自分自身でこう分析する。

「ただの病気」。

感覚がマヒしている。スマホゲームでレアなアイテムを手に入れても感じるのは一瞬の快感。わかっている。何も残らない。でもやめられない…。

そして、さらに最悪な状況になっていく…。

感想:冷静な怖さ

誰かに認められたいという気持ちと、人生は不公平ということがこれほどまでに的確に表現できるのか…、というのが最初見たときの感想でした。

この話では田中が田中自身についてナレーションを当てています。現在の視点からみる過去の自分の気持ち。

それがまた的確に分析していて、かつユーモアにも富んでいます。僕には田中は平凡とは思えず、魅力的に思えます。

そんな豊かな心をもつ田中ですが、自制心を抑えられずぶっ飛んでいく…。

この内容…、すごく刺さりました。

斉藤壮馬劇場

田中を演じるのは斉藤壮馬さん。honeyworksで歌っている印象が強く、さわやかな声をあてる人なんだろうな、という印象でした。

この曲すごく好きでよく聞きます。

そんな斉藤壮馬さんが、さわやかと真逆の役を演じています。

田中の独白はとにかく迫力があります。言っていることが胸にズバズバささるのは斉藤壮馬さんによるものだと思います。

自立と信用

田中は小学3年生の件から、家族を信用できなかったのではないかな、と思います。怒ると何をするかわかならい父、しっかりと守ってくれなかった母、弟を煙たがる兄。心に蓋をしていたので、過去の失敗にケリがついていない。

この出来事のあと、信頼できる友達ができたのだろうか…。

ひとりで生きていける人もいれば、誰かがいないとダメな人もいる。田中は後者のような気がします。人当たりはすごくイイんだけど何か違う。田中が大人になってスマホゲームにハマったときも周りに友人らしき人はいません。

第4話の最後では壊れた田中がお笑いコンビのホモサピエンスの柴垣と会話をします。柴垣が自分の話をするとき「相方」という言葉を使ったとき、田中が過剰に反応したように感じました。

この田中革命に登場するさまざまなモノが、ストーリーに大きく関わっていきます。

「オッドタクシー」は人物像が掘り下げられているので、かなり見ごたえがあります。オススメです!!

ありがとうございました。